共振器集積導波路グレーティングと応用
2. 共振器集積導波モード共鳴フィルタ(CRIGF)
入射光を特定の波長だけ反射するフィルタとしては、誘電体多層膜フィルタが多用されますが、その作製には異なる屈折率材料を反射波長で決められた膜厚だけ交互に積層する必要があります。導波モード共鳴フィルタ(GMRF: Guided-Mode Resonance Filter)は導波路薄膜を堆積し、その表面にグレーティングを加工するだけ得られるため、生産性に優れた高反射狭帯域ミラーとして注目されています(図C-6参照)。また、反射波長をグレーティング周期で制御できるため、異なる波長フィルタを1枚の基板上に集積可能という利点もあります。
GMRFを形成するグレーティングは入射光と導波光を結合するグレーティングカップラ(GC)であり、CRIGICの場合と同様、高い反射率を得るためにはサブmmの結合長(開口)を必要とします。この開口を微小化することができれば、図C-7に示すように、コンパクトな導波路レーザやファイバーレーザのミラーとして非常に魅力的です。そこで、CRIGICと同様に、2つのDBRで共振器を形成してその中にGCを挿入し、導波光の往復により実効的結合長を長くする構成(CRIGF: Cavity-Resonator-Integrated Guide-mode-resonance Filter)を検討しています(図C-8参照)。開口5μmのCRIGFの透過および反射スペクトルを1次元モデルを用いて計算した結果の例を図C-9に示します。狭帯域で高効率の反射が期待できます。通信用波長フィルタや集積レーザミラーなどさまざまな応用を理論的、実験的に検討しています。

図C-6 誘電体多層膜フィルタ(a)と導波モード共鳴フィルタ(GMRF)(b)の構造断面概念図。所望の反射波長に合わせて、誘電体多層膜フィルタでは各層厚が、GMRFではグレーティング周期が決められる。

(a)

(b)
図C-7 GMRFの導波路レーザーミラーへの応用(a)とミラーを小型化した場合の構成(b)。レーザへの励起光波長とレーザ発振波長が異なるため波長選択性のある高反射ミラーが必要。結合領域を数ミクロンにできれば、端面集積が可能となり、非常にコンパクトなレーザが期待できる。

図C-8 共振器集積導波モード共鳴フィルタの断面構造概念図。DBRペアで構成された導波路共振器内にGCを集積し、微小開口の狭帯域波長フィルタを構成できる。結合波長だけがGCにより導波光に励振、共振され、その回折放射光が直接透過光を打ち消し、高効率反射が生じる。

図C-9 開口5μmの石英基板CRIGFの透過・反射スペクトルの計算例(1次元モデルで計算)。
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