共振器集積導波路グレーティングと応用
研究概要
光の全反射現象(図C-1参照)を利用すれば、光を狭い領域に閉じ込めて損失無く(厳密には散乱よるわずかな損失があります)伝搬、伝送させる光導波路(図C-2)を構成できます。基板上に、適切な屈折率材料を適切な膜厚だけ形成すれば薄膜光導波路が、さらにパターニングを施せばチャネル光導波路が得られ、集積光回路の基本構成部品となります。レンズ機能やプリズム機能、スイッチング機能を有する光部品を集積して、導波光を制御する様々な集積光(回路)デバイスが開発、実用化されています。
本研究分野では、従来の集積光学素子に導波路共振器を集積することで、新たな機能発現や応用展開を目指した研究を推進しています。

図C-1 屈折率境界での屈折と反射の様子。入射側の屈折率が透過側の屈折率より大きな場合、透過側で屈折角が大きくなり(スネルの法則)、ある角度(臨界角)以上の入射に対して、透過光が生じず、その結果100%反射(全反射)される。

図C-2 光導波路の概念図。高屈折率材料を低屈折率材料で挟む(囲む)とその境界での全反射を利用して光波を閉じ込め伝搬させる光導波路を形成できる。導波コア(高屈折率部分)径が光波長程度に小さくなってくると光の波動的取り扱いが必要となる。すなわち、各材質中での波動方程式の解は屈折率界面での電磁界の境界条件を満足する必要があり、結果、その構造特有の離散的な固有解(導波モード)を有する。